先輩弁護士・研究者・若者が語る山添拓
宇都宮 健児

人権感覚豊かな弁護士

宇都宮 健児

弁護士
元日弁連会長

私が2010年4月に日弁連の会長になった時、最初に取り組んだ、大きな課題の一つが、司法修習生に国が給与を支払う給費制廃止の問題でした。

弁護士を目指す人も裁判官を目指す人も、給費をもらいながら統一の研修を受ける司法修習の仕組みは、戦後にできたものです。戦前は弁護士の監督権を司法相が持つなど、独立していない司法でした。それでは国民の人権を守れないという反省から、時には人権を守るために国と闘うことになる弁護士にも、国が給費を払い、裁判官・検察官を目指す人と並んで研修を受ける仕組みができました。

司法試験を受けるためには法科大学院を卒業する仕組みになったうえに、給費制がなくなれば、経済的余裕がある人しか司法の世界に進めなくなります。この問題の当事者である司法修習生や若手弁護士の運動として、ビギナーズネットが立ち上がり、その代表の一人になったのが山添さんでした。中心で活動していた姿をよく覚えています。

各地の弁護士会で集会を開き、デモをするなど猛烈な運動のなかで、給費制廃止を1年延期させることができました。給費制復活を求めて、いまも裁判が闘われています。

私は弁護士がもっと、政治の世界に加わっていくべきだと考えています。人権課題を仕事として取り組めば、どうしても法律の壁に突き当たることが多くあります。その実現のために、国会や地方議会の場に入り、自分のかかわった人権課題の解決のための法律制定や法改正に取り組んでほしい。

山添さんもこれまで、福島原発事故や労働問題など、多くの人権課題に取り組んだ人権感覚が豊かな弁護士です。安倍政権のさまざまな暴走をストップさせる若手弁護士の代表として、大いに期待しています。

(東京民報 2015年9月13日付より)

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